前世とは

前世

前世とは、人が生きて死んでという輪廻転生(生まれ変わり)を繰り返す中で、今の自分が生まれる前に生きていた「人生」のことになります。魂は同じでも、住んでいる場所や時代、人格は今の自分とはまったく別ものであり、基本的には「他人」という感じです。人は何度も何度も、何百回と生まれ変わり、様々な生き方を経験します。時々生まれながらにそれを覚えている人もいれば、途中、何かがきっかけで思い出す人もいます。しかし、大半の人は自分の前世を思い出すことはなく、そもそも興味を持たない人が多いかと思います。しかし、この記事を読んでいるあなたは自分の前世に興味があり、思い出してみたいと思っているのではないでしょうか。しかしながら、その思い出す方法についてご紹介する前に、もう少し前世のことについて知っておいてもらいたいことがあります。

前世を思い出せない理由

大半の人が前世を思い出せないのには、それなりの理由があります。一番大きな理由は、“過去にとらわれず現在を生きるため”です。そのために人は、一度生まれる前に記憶のリセットをかけ、まっさらな状態で生まれてきます。もし生まれてきた時に前世の記憶があると、過去の自分がどんな生き方をしたか、どんな死に方をしたかその印象が強すぎて、なかなか新しい人生をスタートすることができませんし、前だけを向いて生きていくことが難しくなるでしょう。そのほかにも、“前世と同じ状況でクリアできなかった試練を乗り越えられるか”それを試そうとして記憶を消していることもあります。また、“前世を思い出すために忘れている”ということも。魂が自らを成長させるために、前世を思い出すという行為を必要とする場合があります。魂の目的は自身の成長であり、そのために前世の記憶が必要であるかを判断しています。

前世を思い出す必要

今回の人生で前世を思い出す必要があれば、そこには必ず理由があり、思い出すための機会が訪れるでしょう。人は前世を思い出すことで、自分の“魂の傾向”を知ることができます。自分がどんな問題を抱えやすく、何を目的として生まれてきたのか。その“傾向”の中にあるものが学びきれていない場合、転生する中で、何度も同じようなトラブルに直面することが出てきます。例えば、なかなか人を信頼することができずに苦しんでいる女性。彼女は昔から人を信じることが苦手で、その原因を探っていくうちに、前世で何度も自分が同じ問題を抱えていたことを知ります。そしてかなり前の過去生で、自分が夫に裏切られ殺されていた場面を思い出し、人間不信の原因はこれだと確信しました。彼女はその生で夫に殺された時の悲しみや苦しみを思い出し、それらを追体験することで過去の自分を癒し、現在の悩みを解決することができました。彼女が問題を解決するには、前世を思い出すことが必要だったのです。このように、現在自分を苦しめるものの原因が過去生にある場合には、どうしても前世を思い出さなければならなくなってくる場合があります。

前世を思い出そうとする前に

前世のことを思い出しても、その中で幸せな記憶が出てくることはあまりありません。むしろ、つらかった時や苦しかった時の記憶が出てくる可能性の方が高いでしょう。これはネガティブな経験や想いにはエネルギーが強く残り、それ故に思い出しやすいのに対し、幸せな記憶や想いにはエネルギーが残りにくいのが原因です。そのため、前世を思い出そうとする時にはそれなりの注意と覚悟が必要になってきます。自分が何をみても動じない、過去に巻き込まれないという強さが求められます。前世の記憶を思い出しても、その時の過去の感情にのまれないようにしてください。出来事はすでに起きたことで、もうどうしようもないことなのですから、動揺するだけ無駄なことなのです。特に、自分が死ぬ場面、もしくは殺される場面ではつらい体験をする人が多く、気分や体調が悪くなる場合もあります。そのような時はすぐに前世を思い出すのをやめて、リラックスするようにしてください。前世のことはあくまで単なる記憶であり、現実の自分とは違うものだという意識を忘れないようにして、次の思い出す3つの方法を試してください。

前世を思い出す3つの方法

1. 退行催眠・ヒプノセラピー

退行催眠やヒプノセラピー(前世療法)は、催眠状態で現在から過去、幼少期から胎児期、そして生まれる前の状態まで戻り、前世の記憶を取り戻すというやり方です。慎重に記憶をさかのぼっていくところが特徴的で、退行催眠に通じたセラピストに施してもらうのが一般的ですが、自己催眠をかけ自分で退行することも可能です。その際のやり方を簡単に説明します。

  1. 静かな、邪魔の入らない部屋で1人になる。催眠状態が解けないような状況を作りましょう。
  2. 楽な姿勢を作り、リラックスする。ソファーに座るか、ベッドに横たわるのがベストです。全身の力を抜き、目を閉じて「手足が重い」、「手足があたたかい」などの暗示をかけてみましょう。暗示にかかり、気分がよくなってきたところで、それを全身にもかけ催眠状態を作り出します。
  3. 記憶をたどってきます。現在から過去へ、大学時代、高校時代、中学、小学校と、順にさかのぼり記憶を思い出していきます。そうして幼少期から母親の胎内に、更に生まれる前、前世へと戻りましょう。
  4. ここで浮かんでくる、見えてくるものがあなたの前世です。何があるのか、そこはどこなのか、自分の周りにいるのは誰なのか、じっくり観察してみましょう。体の状態は眠りに近いところへと来ているので、寝てしまわないか気を付けなければなりません。

退行催眠で得られる前世の記憶は、必ずしも本当の記憶であるとはかぎりません。時には自分で記憶を作り出してしまうケースもあります。しかし、何か問題があって、その解決策を求めて記憶をたどっていた場合には、前世を思い出す過程でも何か得られるものがあるでしょう。

2. 見える人に見てもらう

霊能力者など、前世が見える人に霊視してもらうという方法です。思い出すのとは少し違いますが、霊視してもらったことをきっかけに自ら前世を思い出す場合もあります。手軽なところでは前世占いなどがありますが、本当に自分の前世を知りたい、知ることにより現在抱える問題を解決したいと思うのであれば、信頼のおける人に見てもらうことをお勧めします。

3. アカシックレコードに繋がる

すべての記憶の集合体、宇宙が生まれた時からの記憶が記録されているというアカシックレコードに繋がり、自分の前世をリーディングすることで情報を知ることができます。こちらは思い出すというよりも、知るといった感覚が近いでしょうか。アカシックレコードには瞑想状態、心身ともにリラックスした状態から繋がることができ、その状態で自分が知りたいことをアカシックレコードに対して質問します。前世が知りたければなるべく具体的に、自分の前世のどんなことを知りたいのか、どういう理由で知りたいのかも加え、例えば「今の彼氏と前世で知り合っていたのなら、その姿が見たい」などというように訊いてみましょう。そこで見えてきたものが、求めていた前世の記憶になります。アカシックレコードを見る時には必ず、冷静に、自分の感情を挟まず見るようにしましょう。感情が揺れると、繋がりが保てなくなり切れてしまいます。

前世を思い出したら

一番良いのは、自分とは関係がないものとしてそっとしておくことです。もし自分の抱える問題の原因がそこにあった場合には、自分がどういう体験をして、何を感じ、何を思ったのか、じっくりと落ち着いて見つめてみましょう。時にはつらい記憶を追体験することが必要になることもあります。しかし、それでも前世の記憶は「過去」にあったことであり、自分自身への未来には持ち込まなくていいものなのです。あくまでも自分の視線は未来へと向け、前世を思い出すようにしましょう。

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