真言

「真実の言葉」を意味する真言(しんごん)は、真言密教に伝わる仏の教えや功徳を秘めているとされる祈祷句。真言に潜む計り知れないパワーを活用することで、貴女の恋愛運をアップさせましょう!

密教で伝えられてきた、最強の祈祷句「真言」

真言密教(真言宗)は平安時代に弘法大師空海が開創した教え。空海は天皇に近づくため、実際に密教の呪法を操り、病気の回復や悪霊退散の呪法を行なっていたとされています。真言密教が一般の仏教と大きく異なる点は、「欲望も何もかも含めて人間であると考え、人間のすべてを肯定する」ところにあり、「仏と同様にすべての人も尊いのである」としています。一般の仏教では、人は誰もが業を背負っているとされており、その罪を生み出すのは「人間が身体で行なった行為の罪」「人間が口でしゃべった言語の罪」「人間が心で思った意識の罪」の「三業」。この三つが人間の罪を生み出す業として、仏教では位置付けられています。

しかし、密教ではこれらを業とはとらえずに「三密」と呼び、「仏と人間のこれら3種の行為の形態が感応し合うとき、速やかに悟りの世界が現れてくる」と教えを説いているのです。この「三密」(身・口・意)のひとつの「口密」は真言につながり、真言を唱えることにより神仏と感応しあうと考えられています。愛にまつわる欲望も必要なこととして捉えている密教の真言は、まさに「不倫」や「復活愛」といった困難な愛に悩む人にピッタリの呪文だといえるでしょう。

ところで真言は音が非常に重要であることから、翻訳せずに原語を音写されます。真言は、語句の多いものを「陀羅尼」(だらに)、数語からなるものを「真言」(しんごん)、1、2文字のものを「種子」(しゅじ)と区別することもあります。また真言を唱える際には、手で「印」を結びながら唱えたほうが効果も高まります。ちなみに仏像の手に見られる、なよやかなポーズも「印」であり、私たちが神仏に祈るときに行なう合掌も立派な印の一つです。印を結ぶ手の形はエネルギーを生み出し、宇宙の波動と共鳴しあうとか。印は宇宙のエネルギーを取り入れ、真言の呪力を高める働きをするのです。

遊び半分で唱えると、かえって危険なことに

空海が密教呪術をもちいて怨霊と闘ったり、病気を治したりしていたというエピソードはあまりにも有名。大干ばつの際には雨乞いの祈祷を行ない、恵みの雨を3日間降らせたといいます。真言密教において加持祈祷の儀式が現在も続けられていることからもわかるように、真言に何らかの呪術的パワーが秘められていることは確かなようです。

ですから貴女も真摯な気持ちで繰り返し真言を唱えていれば、自身のパワーがその言葉に宿り、必ずや願望を叶えてくれることでしょう。ただし、真言は「呪」のパワーをはらんでいるので、危険と表裏一体。効果を疑う気持ちが少しでもあるのであれば、やめておいたほうが無難です。また、真言のなかには危険な神仏を意味するものもあるので、ここに紹介しているもの以外はむやみに唱えないように注意してください。

また、真言は集中して唱えるようにして、雑念が入らないようにしてください。たとえば、他者の不幸を願う邪悪な気持ちがあると、真言のパワーがそちらに向かってしまうことがあるからです。相手に不幸が及べば、その影響は貴女にも跳ね返ってくることになります。

真言の効果を高めるポイント

身を清める

入浴により体を清め、洗濯してある下着を身につけて唱えてください。白い服であればさらにベター。

一心に祈る

真言を唱える際のポイントは、その真言を司る神仏を心に思い浮かべ、ただただ一心に祈りを捧げることです。また、真言は一度唱えれば叶うというものでもなく、毎日継続して唱えることが真言のパワーを高めることになります。

丹田(たんでん)を鍛える

へその下あたりにある「丹田」は、生命エネルギーを司る場所。そのため、丹田が鍛えられるとエネルギーが飛躍的に高まり、念の力も強くなります。腹式呼吸をして丹田を鍛えましょう。

豆知識

真言でよく用いられる「おん あびら うんけん そわか」の意味をご存じでしょうか。「おん」は「帰依(神仏にすがること)」、「あびらうんけん」とは宇宙の根源である「地・水・火・風・空の五大(元素)」を表し、「そわか」とは「成就」を意味しています。つまり真言とは、仏と宇宙から力をいただき、願望を叶える言葉なのです。

魅力的になり、恋愛運を上げる
「愛染明王(あいぜんみょうおう)」の真言

恋愛を成就させる真言として最もポピュラーなのが愛染明王の真言で、以下の二つはいずれも愛染明王の真言です。印を結び、自分の干支の守り本尊の真言を7回唱え、愛染明王の真言を7回唱えます。

おん まからぎゃ ばぞろ うしゅにしゃ ばざら さとば じゃくうん ばんこく

この真言を唱えることで相手との関係性は改善され、貴女の魅力が相手に伝わります。たとえ貴女に恨みのある敵であっても、この真言を唱えることにより貴女に親愛の情を示すようになります。また、素晴らしい恋愛の出逢いを呼び寄せる効果もあるので、出かける前などに行なうのもよいでしょう。非常に呪力が強く、効果が出ると恐くなるくらいに相手の愛情が注がれることになるでしょう。復縁にも効果がありますが、困難な恋愛であればあるほど何万回と唱えないと効果がないとされています。

おん うんだき うんじゃく うんしっち そわか

この真言を唱えることにより、理想通りの男性と出逢ったり、相手の気持ちを思い通りに操ったりすることができます。貴女自身の性的な魅力をアップさせ、相手の心を引き寄せる真言なので、結婚に乗り気でない彼の気持ちに変化をもたらしたい場合にもオススメです。また、浮気症の彼を改心させたい場合や貴女にまったく見向きもしない男性の気持ちをこちらに向けさせるのにも、この真言は効果的です。ただし、想定外の異性に好かれる場合もあるので、気をつけましょう。

印の結び方

1.左手の親指が上にくるように左右の指を組む。
2.人差し指同士は離し、中指は手のひらの内側に折りたたむように入れて交差させる。
3.薬指同士は立てた状態で合わせ、小指同士は離した状態にする。

恋愛の苦しさから解放してくれる
「薬師如来(やくしにょらい)」の真言

薬師如来は、苦しみの根源となる病や思うようにならない苦しみを取り除き、延命へ導くとされている仏様です。薬師如来の加護を受けるには印を結び、守り本尊の真言を唱えた後に、以下の真言を唱えてください。

おん ころころ せんだり まとうぎ そわか

印の結び方

1.親指以外の指が手のひらの内側に入るように指を組む。
2.左右の親指は揃えます。

失恋の痛みから立ち直らせる
「地蔵菩薩(じぞうぼさつ)」の真言

地蔵菩薩は、六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道)を輪廻し、さ迷うものを救済する慈悲深き菩薩であるとされています。この地蔵菩薩の加護を受けるためには、まずは印を結び、守り本尊の真言を唱えます。それから、失恋の傷が早く癒えることを願いつつ、地蔵菩薩の真言を唱えてください。

おん かかか びさんまえい そわか

地蔵菩薩の加護は数え切れないほどありますが、慈悲で包み込み、善いカルマを積み重ねることで悪いカルマの消滅へと導いてくれるといわれています。忘れてしまいたいような恋も確実に癒し、新たな縁へと導いてくださる真言です。唱えているうちに、なぜそんなに悲しかったのかもわからなくなるほど、相手のことを忘れさせてくれます。その頃には新たな相手との出逢いも待っているはず。

印の結び方

1.左手の親指が上になるように左右の指を組んだ後、中指だけを立てて指の腹同士を合わせる。
2.中指以外は、手のひらの内側に折りたたむようにしまう。

守り本尊と真言

生まれ年の干支によって守り本尊が決まります。守り本尊の真言を先に唱えてから目的の真言を唱えると、願いがより叶いやすくなります。

干支 守り本尊 真言
子(ねずみ) 千手観音菩薩 おん ばさら だるま きりく そわか
丑(うし)・寅(とら) 虚空蔵菩薩 おん ばさら あらたな おんたら そわか
卯(うさぎ) 文殊菩薩 おん あらはしゃのう
辰(たつ)・巳(へび) 普賢菩薩 おん さんまや さとばん
午(うま) 勢至菩薩 おん さんざん ざんさく そわか
未(ひつじ)・申(さる) 大日如来 おん あびらうんけん ばざら だどばん
酉(とり) 不動明王 のうまく さんまんだ ばさらなん せんだまかろしゃな そわたやうんたらた かんまん
戌(いぬ)・亥(いのしし) 阿弥陀如来 おん あみりた ていせい からうん

注意点

願いが叶った際は、必ずお参りに伺うこと

また願いが叶った暁には、必ずお礼に詣でるようにしてください。例えば、愛染明王の真言を唱えたのであれば、愛染明王を祀っている寺院を詣でるのです。相手を人間に置き換えてみるとわかることですが、何か自分のために尽力してもらった場合はお礼をしますよね。相手が神仏であっても、それは同じこと。神仏に対する礼儀を欠くことは大変失礼にあたるのです。また、神仏の怒りを買ってしまうと、せっかくの福が災いに転じることも。ですから忘れずにお礼に伺いましょう。その際は心の中で、「○○県●●市の○○▲子です。おかげ様で彼と両想いになることができました」と、名乗ってください。貴女のしっかりした対応を見て、神仏はまた願いを叶えてあげようと思うはずです。

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