神棚とは、神社でいただいた神札を祀る神聖な場所です。神棚を設けるということは、自宅やオフィスに小さな神社を築くのと同じことで、そこは神域と同義です。本来なら、毎日神社へお参りに行くことこそ良しとなるのですが、現代社会に生きる身でなかなかそれは適いません。ですから自宅やオフィスに神様をお招きして、毎日手を合わせることで神様に見守っていただく、そのつながりの場所とも言えます。今回は、神棚をどのようにお祀りすれば良いのか、基本として知っておくべきことを紹介致します。

①いつ神棚をお祀りすれば良いのか?

家を新築して住み始めたときや新居に引っ越したときなど、新生活を始めるに当たって一緒にお祀りし始めるのが最も良いとされます。また、商売をしている人で代替わりをするときや、吉事・凶事があったときなどに、新しい神棚へと取り替えてお祀りするのも良いとされます。他にも、5年、10年、15年…といった5年の節目で取り替えることも良いでしょう。あるいは、伊勢神宮に倣って、20年ごとに取り替える家庭も多く見られます。古くなった神棚や神札は、近くの神社でお焚き上げしてもらいましょう。

②神棚はどこで手に入るのか?

規模の大きな神社や、神具店・仏具店で神棚を求めることができます。あらかじめお祀りする場所を決めておき、その空間に合った大きさの神棚を求めましょう。神棚には、神札を納める扉の数や様式、使用されている材質の違いなどでいくつもの種類があります。大きさや予算などを考え、納得のいく神棚を選びましょう。

③神棚をお祀りする場所とは?

神棚の向き
神棚の位置

神棚をお祀りする場所は、家族が集まるリビングルームが適しているとされます。その北側が西側の壁に接して(つまり南向きか東向きになるように)お祀りしましょう。これは万物を生育させる太陽の光を充分に浴びさせるためと言われています。また高さは、人が立ってお参りする際に、やや見上げるくらいが良いとされます。いくら神様をお招きするとは言え、あまりにも高い位置に神棚をお祀りしてしまうと、毎日榊や水を取り替える際に不便になります。手の届く位置が良いでしょう。また、マンションやオフィスビルでお祀りする際、上階がある場合は神棚の上の天井に「雲」の文字を貼り付け、神棚の上は空であることを示すようにしましょう。

④神札の納め方

自宅やオフィスで神棚をお祀りする場合だと、神札を納める扉の数が1つである一社造りや3つである三社造りが一般的です。この神札を納める場所を内陣と呼びます。神札は毎年新しく取り替え、古くなった神札は氏神神社や神札をいただいた神社でお焚き上げしてもらいましょう。

一社造りの場合
一社造り

一番手前に天照皇大神宮の神宮大麻、次に氏神神社、最も奥に崇敬神社の順番で神札を重ねて納めます。

三社造りの場合
三社造り

中央に天照皇大神宮の神宮大麻、向かって右側に氏神神社、向かって左側に崇敬神社の神札をお祀りします。

⑤神棚へのお供えの仕方

お社の設置例

神鏡、榊立て、神酒壺、水入れ、かわらけ(お米、お塩を入れる皿)などの神具が必要で、そこに榊、水、米、塩、お菓子などをお供えします。水、米、塩をお供えする際は、常に米が真ん中にくるようにお供えします。水、米、塩は毎日お供えして、榊は枯れる前に取り替えることが大切です。各神具の置き方は、図の通りとなります。

⑥お参りの仕方

基本的に、神社へお参りするときと同じと考えて構いません。いわゆる「二拝二拍一拝」です。まずは神棚の前に進み、軽くお辞儀をします。腰を90度に折る深いお辞儀を2回します。次に、胸の高さで両手を合わせ、肩幅程度に両手を開いて2回手を打ちます。最後に、深いお辞儀を1回して、神前を退いてから軽くお辞儀をしてお参りを終えます。

神棚は、お祀りすることはもちろんですが、毎日お招きした神様に対して手を合わせてこそのものです。神域、聖域との認識を深く持ち、定期的に掃除や不具合の手入れを行って常に清浄に保つようにしましょう。古くなった道具や欠けた神具などは、神社でのお炊き上げや塩で清めた後に不燃物として出し、綺麗な状態にしてください。なお、神棚をお祀りしている家で不幸があった場合は、神棚の前に白い半死を貼って50日間隠し、その期間中はお参りもしないようにするのが一般的です。


神棚をお祀りする前に

知っておくべき用語辞典

氏神(うじがみ)・氏神神社(うじがみじんじゃ)・氏子(うじこ)

現在居住している地域を守る神様のことを氏神様と言い、その氏神様が祀られている神社を氏神神社(氏社とも)と言います。なお、氏神神社という名称ではありません。そして氏神神社が鎮座している周辺の地域に住む人たちのことを氏子と言います。元々の意味は、氏、すなわち名字・姓が同じ一族の間で縁深い神様を祀っていたことから誕生した、氏神という言葉に由来します。そしてその血縁が、氏子と呼ばれていたのです。

崇敬神社(すうけいじんじゃ)

氏神神社のように土地や血縁に捉われない、個人が信仰する神社のことを言います。居住地域に自分が信仰する神様を祀っている神社が存在しないとき、遠方の神社を自分の崇敬神社に定めたりすることも一般的です。そういったことから、氏神神社と崇敬神社を同時に信仰することになんの問題もありません。

産土神(うぶすながみ)

その人が生まれた場所の神様のことを言います。産土神はその人のことを、生まれたときから死ぬまで一生守護する存在だと考えられています。つまり、仮にその場所を引っ越したとしても、ずっと守護してくれるとされます。氏神と氏子が本来の意味で血縁によるつながりを意味するのに対し、産土神は地縁によるつながりを示します。

神宮大麻(じんぐうたいま)

神札はそれぞれの神社で個別に授与されていますが、その中でも伊勢神宮の神札を特に神宮大麻(天照皇大神宮)と言います。神棚にお祀りするにあたって、新年に新しい神札を氏神神社で受ける際には、一緒に授与してもらうのが一般的です。