前世

魂は、時代や空間を経て途切れることなく存在し続けるものと考えられています。その魂が乗り移る対象が命あるものの肉体であり、肉体が死を遂げると別の肉体へと憑依します。こうしたことから生きているものには魂がたどってきた前世があり、その肉体には少なからず前世の記憶を持ち、生き方に影響を及ぼすものとされているのです。初めて目にしたもの、触れたものに何かしらの記憶があり「どこかで見たような記憶がある」と漠然と思うことがありませんか?それは前世で見たもの、経験したことの記憶かもしれません。人の前世にはどんな意味があるのか、前世を知ることで現世にどう生かすことができるのか。スピリチュアルなものを信じるすべての人へ、人生の指針となるかもしれない過去との邂逅を紐解いていきましょう。

人は前世の記憶を持っている?

前世を実感することは、普段の生活からだとそうそうできるものではないものでしょう。今を生きるのに精一杯、未来志向で過去は振り返らない、そうお考えの人もいるはずです。しかし魂が乗り移った肉体である以上、自分の肉体に宿る魂がときに存在感を示してうごめくことがあり、それを直感として受け入れることがあるのです。

たとえば幼いころに見た夢が妙に記憶として残っていて時が経つにつれてその意味がわかるということがあります。歴史上の一時代に惹かれ、その時代のある職業に親近感を持つとしましょう。ある人が江戸時代の荷物を背負って走って運ぶ飛脚の絵を見て、疾走感や軽快さが快く感じることがあります。この感覚はどこかで見覚えがある。そう、幼い頃荷物を背負って走っている夢をよく見た。自分は走ることに何かのアイデンティティを持っているのでは…この漠然とした感覚を抱えつつ、いつしかマラソンランナーを目指す方向に向かっているということも。レースで苦しいなか息を切らしてゴールを目指しているさなか、前を走る人に前世の自分の姿が投影されることもあるかもしれません。点と線でつながった魂の旅路の通過点を目の当たりにする瞬間です。こうした経験をすることで生きることの重みを実感として受け止められるようになるはずです。何かの直感、なんとなく気になること突き詰めていくとそれは前世に通じる自分のルーツとなるものかもしれません。

魂は研鑽し続ける

魂は善行や修行の繰り返しで徳を積み、肉体の乗り移りを繰り返して天界へ昇華するものと考えられています。せっかく研鑽して徳を積み、魂が移り変わっても来世での行いがよくないとマイナス評価となり、積んだ徳がはく奪され、天界への距離が遠くなるのです。今生きるなかでどう徳を積み、神に認められる行いができたかが大切なのです。現世でその名の通り「這い上がる」ことで魂がさらに高みを目指せる構図にあります。ここに前世と現世を結ぶつながりが秘められていて、前世の行いからの反省や特性を見つめ直す契機として捉えたいところです。

前世占いで気軽に前世を知ることも

参考程度に前世占いで自分の前世を知ることができます。前世占いのサイトで生年月日を入力するとあなたの前世が占われ、現世にどう影響を受けているのかが示されます。たとえば前世が城下町で暮らす子どもだったという占い結果を見てみましょう。平穏な子ども時代は仲間に囲まれ楽しく過ごしていました。しかし戦が始まり、城が攻められ戦乱の世に放り出され家族離散となります。少年は一人生きていくために盗みをして生きていくようになり、壮絶な子ども時代を過ごします。人望があったため同じような境遇の者と結託して窃盗団を作り、リーダーとしての地位を確立し、一生を過ごしました。それを受けて現世ではこの人は仲間想いの人間との見方がされます。苦難な子ども時代を生き抜いてきた経験から強い生命力や反骨精神が旺盛です。窃盗を生業にすることで命の危険にさらされたこともあり、果敢に成果を取りに行く姿勢を持っています。危険を顧みない性格はリスクでもあり、注意したいところでもあります。勝負どころの勘を大事にし、ここ一番に勝負に出るようにしたいです。仲間に慕われているので統率力に優れているので、この点を生かしていきたいところです。このように前世で経験したことや時代背景を知ると、現世での適性やリスク要素がわかり生き方の参考になるのです。

よくよく突き詰めてみるとこうした占い結果に思い当たることがあるようです。魂の根本的な性質は次の時代にも乗り移るもので、意識してコントロールできるものではないものもあります。無意識に何かに反応する、本能的な部分で抑えられない衝動など前世から引き継いだものかもしれません。前世の人間性を把握し現世でうまく利用することに前世の自分を知る意味があるのです。

魂レベルでのささやきに耳を傾けて

海外のあの国に興味や関心、惹きつけられる思いがある。歴史上の一時代で生きている自分の姿が妙にしっくりくる。特定の事象に対して恐怖や畏怖の念を覚える。こうしたことは前世での生涯に起因しているとも考えられます。前世やそのまた前世の魂が経てきたものへの条件反射との見方ができます。あなた自身は何にも接点がないことでも、事象に対して反応や察知するセンサーが本能的に組み込まれているということです。そこはかとないインスピレーション、まさに魂レベルでの胸の鼓動に耳を傾けてみてください。あなたの肉体にはいくつもの時代を経てきた魂の記憶が刻まれているはずです。

興味を持った国や歴史的出来事が起きたスポットなど、自分が惹きつけられるものには積極的に足を運んでみてはいかがでしょうか。現地に立ってみてその場所の空気に触れてみれば、前世からの魂の叫びが聞こえてくるかもしれません。

気になったときが前世を知るとき

順風満帆できた人生で何も問題がなければ前世を意識することはないかもしれません。しかしふとしたことで人生につまずき、自分のアイデンティティを考えるようになったときなどが前世を知るべきときかもしれません。そしてそんなときにこそ前世の魂が日常に見え隠れするのです。あなたへの暗示や何かをほのめかしている意味で日常に不思議な出来事が起こりえるのです。そんな「自分が何者でもない何か」という浮遊感があるときは前世からのヒントを得るチャンスです。一度立ち止まって魂の変遷に思いを馳せてみるのです。


いくつもの時代を経て今あなたに宿る魂は現世を生きているのです。あなたが生きる現世で徳を積むことができなければ、進歩なく次の肉体へと魂は乗り移ることになります。「期待外れだった」なんて後で嘆かれることがあるかもしれません。来世に恥じない生き方をしようと考えればおのずとまっとうな道を歩めるはずです。受け継がれる魂をより美しく、輝かせるためにあなたに人生があるのです。ときには前世の声を聞きたくなることがあるでしょう。そんなときは躊躇なく前世の自分との対話を試みてはいかがでしょうか。