知っておきたい海外のジンクス

あなたはジンクスを信じますか? ジンクスとは、日本では主に縁起をかつぐという意味で使われます。しかし海外でのジンクスは、「ここを通ると必ず雨が降る」といった風にネガティブな意味で使われるのが一般的です。こうしたジンクスは、日本にあるものは広く知られていますが、実は海外にも多くそうしたジンクスは存在するのです。そこで今回は、海外のジンクスをご紹介しましょう。

そもそもジンクスって何?

ジンクスとは、辞書的な意味でいうと、「縁起のよい、または悪い言い伝え」のことを指し、また「縁起をかつぐ対象とする物事」いう意味もあります。本来、悪い意味合いのことを指すといわれていますが、近年は縁起の良いものの意味合いとして使われることもあるようです。しかし海外では、依然としてジンクスは悪い意味合いで使われているようです。

その「ジンクス」の名の由来はギリシア語にあり、かつて魔術に使用した鳥の名「ユインクス(jugx)」にあるといわれています。このユインクスという鳥は、ルックスが非常に不気味であったことから、ギリシアでは魔術に使われていたといいます。このことから、ジンクスは悪いことの象徴のような言葉として使われるようになりました。

日本でいえば、霊柩車を見たときには親指を隠さないといけない、もしくはギャンブルに勝てるといわれたりします。このようにジンクスとは、何か1つの物事が起きたときに、その物事とともに、何か別の出来事が偶然に起きることで、また何か他の不運や幸運のできごとが起きるといわれているものです。しかし、その因果関係については科学的に証明できるものではありませんし、人間の頭で考えてもよくわからないことだといわれています。

海外のジンクス

日本のジンクスはよく耳にしますが、海外には日本でそれほど知られていないジンクスがたくさんあります。その中でも、いくつか興味深いものをご紹介します。

食材の食べ合わせが悪いと死ぬ

よく、何かと何かを一緒に食べると健康に悪いとかおなかを壊すなどといわれることがありますが、ミャンマーでは食べ合わせによっては死に至ることもあるといわれています。例えば鶏肉とゴーヤ、豚肉とレンコン、マンゴスチンと砂糖などです。しかし、これらの説は複数あり、死に至るとは限らないようです。お腹を壊したり、嘔吐したりといったケースもあるようです。しかしこの食べ合わせについて、ミャンマーの人たちが、日本人が考えるよりもこだわっていることは確かのようです。

くしゃみをする曜日によって幸運・不運が変わる

イギリスでは、くしゃみをしたときに「今日は何曜日だったっけ?」と気にするようです。なぜなら、曜日によってくしゃみの意味合いが変わるためです。イギリスでは月曜日と金曜日にくしゃみをすると悪いことが起きるといわれており、火曜日、水曜日、木曜日は何かいいことが起きる、土曜日は恋人との間で何かが起きるといわれているのです。日曜日だけは何も起きないといわれています。日本でも、くしゃみをすると誰かに噂されているといわれますが、ここまで細かく曜日分けされているとは驚きです。

5月1日にすずらんを贈ると幸せになれる

フランスでは5月1日は「ミュゲの日」といわれ、すずらんの花が販売されます。これは、フランスの習慣で、すずらんの花を誰かから受け取ると幸せになることができるジンクスがあるためです。相手の幸せを願い、幸せになってほしい相手に対してすずらんを贈るという習慣により、この日、スズランが売り切れることもあるといいます。

黒猫が目の前を横切ると悪いことが起きる

ヨーロッパに伝わるジンクスです。黒猫が目の前を横切ると、何か悪いことがこの先で起きるといわれているのです。日本でも黒猫は縁起が悪いなどという説がありますが、黒猫はもともと魔術的な意味合いがあり、不吉とされているのです。特にイタリアやアイルランドでは深刻にとらえられているようです。

例えば、イタリアでは魔女狩りに関連しており、黒猫は魔女の使いと認識されていたことから、魔女たちとともに焼き殺されたといわれているためです。また、アイルランドでは、黒猫が月夜に横切ると、はやりの病におかされるという伝説があります。よほど悪い意味があるのが分かります。しかしながら、一方で黒猫が幸せの象徴であるといわれている国もあります。なぜなら魔除けの意味合いがあるためです。日本では特に猫はかわいがられる傾向がありましたから、その分、「招き猫」と同じようにご利益があると考えられていたのです。

ハネムーンの車の缶は悪霊祓い

アメリカでは、結婚式が終わった後、車に新郎新婦が乗り込み、ブライダルカーを走らせます。そのブライダルカーの後ろに空き缶を何個もひもでくくりつけ、その空き缶をガラガラと転がすのが風習になっています。日本にも伝わっており、同じように行われることがありますが、これにはどのような意味があるのでしょうか。これは、アメリカでは悪霊をよせつけないために、わざとガラガラと騒がしい音をたてないようにしているという意味合いがあるといわれています。

右の掌がかゆくなったら収入が入る証

ドイツでは、右の掌がかゆくなった場合、お金が入ってくる証といわれています。ときどき手がむずかゆくなることがありますが、まさか幸運の証とは思いませんよね。

ベッドを左側から出ると縁起が悪い

アメリカでは、ベッドを左から出るとその日の縁起が悪くなると信じられています。つまり、アメリカではこれが本気で信じられている場合、多くの人が右側から出ることになります。ただ、英語では「左側から出る」とは表現せず、「間違った側から出る」ことが「縁起が悪い」と表現されるのも注目です。つまり左という意味合いとは限らず、いつも出ている側とは反対側からベッドを出ると、なんだかうまくものごとが進まないことを指すようです。

鏡が割れると不吉なことが起きる

鏡が割れるというのは、不吉なことが起きる象徴のように考えられています。日本でもそのようなイメージがありますよね。アメリカなどの英語圏では、鏡が割れると7年間は不運がついてまわるともいわれているのです。そのため、鏡が割れたら、夜のうちに土の中に埋めておくといいといわているくらいです。

鳥が家の中に入ってくると縁起が悪い

日本では、スズメが家の中に入ってくると縁起が良いといわれています。しかし、海外においてはそうとも限らないのです。海外では、むしろ鳥が家の中に入ってくると、非常に不吉だとされ、死や病の前兆であるとすら考えられています。もともと、鳥は霊的に高貴な力を持っているといわれている存在であることから、そうした霊的に強い力が家に舞い込んできたということは、「何か変わったことが起きる」ということは誰もが想像にたやすいことです。海外では何か悪いことの予兆であると考えられるのです。

フランスパンなどを裏返ししておいてはいけない

フランスでは、フランスパンなどを裏向きにして置いてはいけないといわれています。その理由としては、かつて処刑囚には、パンを裏返しにして渡していたという説や、悪魔が反応するという説などがあります。このこともあり、フランスではフランスパンを裏返しに置くのを恐れるため、十字の切れ込みを入れることで不運から免れるというジンクスすらあるといわれています。

早く結婚できる

世界には早く結婚できるジンクスはたくさんあります。日本でも花嫁さんが投げたブーケをつかんだ人は次に結婚できるという「ブーケトス」がよく知られていますよね。ほかに、フランスでは、ワインの瓶に含まれる最後の一滴を飲むと早く結婚できるジンクスがあります。よって、最後の一滴がまわってきたら、ラッキーとなるわけです。このことから、パーティーなどでワインの最後の一滴を注ぐ場合、あえて独身者のグラスを選ぶなどということも行われているようです。早く結婚できることは世界でも縁起のいいことのようです。


海外のジンクスは、このように日本とは異なるさまざまなジンクスが豊富に存在します。いずれも日本人の感覚では分からない不思議なことばかり。ということは、日本にある当たり前のジンクスも、海外からすれば不思議に映ることでしょう。もし海外の現地を訪れることがあれば、現地の人にどんなジンクスがあるのかを知るのも楽しそうです。ぜひ積極的に海外の文化や風習を知り、日本のジンクスについても教えてあげるのがよさそうです。

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