鬼門・裏鬼門

風水で縁起が悪いといわれる鬼門や裏鬼門という方位。鬼門、裏鬼門の意味と避けるべきもの、回避策を解説します。

鬼門と裏鬼門とは何か

鬼門とは、北東の方位を指します。この鬼門の反対側の南西の方位は、裏鬼門と呼ばれます。いずれも、風水においては注意しなければならない方位で、この斜めに通る角度に沿って1メートル以内に玄関や水回りなどがあると、その家は「凶」となります。鬼門に玄関や水回りがくるかどうかは、家やマンション、アパートなどを建てるときに決まります。よって、マイホームを新しく建てる際には充分注意しなければなりません。また、すでに建っているマンションの一室を賃貸する場合には、方位と間取りを確かめて借りるべきです。

鬼門の由来

鬼門の由来は、さまざまなものがあるといわれています。鬼門は中国から日本に伝わったものですが、その起源は古代中国にあるといわれています。当時の洛陽という文化の中心は、南西方面だったそうです。しかし、冬になると北東方面のシベリアから冷たい風が吹き付け、夏になると南西から熱風が吹いてくるといった環境がありました。北東・南西は、文化の中心に暮らす人々にとって、自然と避けるべき方位だったといいます。また、当時の漢民族から見て北東の方角は、ちょうど「匈奴(きょうど)」という暴虐な民族の勢力下にあったそうで、それも北東を鬼門として忌み嫌う理由の一つだったといいます。冷たい北風が吹き入れ、さらに暴虐な民族がいる。そうした現実的な状況から、この鬼門が不吉・凶とされるようになったというわけです。そもそも、北東からは北風が吹き付けるため、人間が安心して生活をするには防がなければなりません。そして日本でも、北東は寒い地域です。この環境の合致が、日本でも鬼門が定着した理由といわれています。

鬼門は江戸城・皇居でも重視されていた

ところでこの鬼門、現在の皇居、つまり、かつての江戸城が建てられる際にも、しっかり配慮されたといわれています。徳川家康のブレーンであった天海によって、江戸城の鬼門・裏鬼門が封じられ、神聖なる寺が配さたと伝えられています。鬼門や裏鬼門のラインには、邪気が入り込んでくると信じられていました。そこで、江戸城のちょうど北東の位置、つまり鬼門の方角に、「寛永寺」と呼ばれる寺を建てたといいます。今の台東区上野の位置です。そして、裏鬼門となる南西の方角には、「増上寺」と呼ばれる寺を配置しました。今の港区芝公園の位置です。こうして、邪気の通り道を徹底的に封じることにより、江戸城に邪気が入り込むのを防いだのです。

鬼門は現代の風水でも重視されている

こうした鬼門は、実際、現代に至っても重視されています。風水を説く者たちも、口をそろえて「これだけは守ってほしい」と言うくらい、凶とされているのです。実際、北東の方角にトイレのあるホテルの部屋に、幽霊が出たというエピソードもあります。もちろん、幽霊が出ることだけが凶ではありません。他にも、命に関わるような、さまざまな災いが起こるといわれているのです。

鬼門にしてはいけない場所

こうした災いを極力避けるために、私たちがやるべきことは、鬼門にしてはいけない場所をあらかじめよく知っておくことです。そして、家を建てるとき、もしくは、マンションなどの部屋を借りるときに、鬼門と裏鬼門を結ぶ、北東―南西の「鬼門ライン」に、次のものがないかを確認しておくことが大切です。

玄関などの開口部・キッチン、お風呂、トイレなどの水回り・火気は鬼門ラインからできるだけ離れたつくりを選ぶ

鬼門と裏鬼門のラインである「鬼門ライン」に触れるところ、そしてそのラインから1mくらいの範囲内に、玄関やキッチン、お風呂、トイレなどの水回り、ガスレンジや電子レンジなどの火気がある部屋は凶です。例えば、ちょうどそのライン上にキッチンがある場合、そのキッチンは鬼門のエネルギーが最も強い場所なので、避けるようにしましょう。そして、そのラインから離れれば離れるだけ、鬼門のエネルギーの影響が少なくなります。水回りといっても、意外と盲点になるものもあります。例えば、キッチンのシンクの部分、お風呂のバスタブの部分、トイレの便器部分は誰でも分かりますが、お風呂場の脇にある洗面台や、トイレの手洗い場なども同様に水回りです。少しでも鬼門ラインから離れた位置にある部屋を選びたいものです。また、火気も同様に、盲点になりがちなのが、電子レンジやボイラー、暖房器具などです。これらの場所・設置場所も注意しましょう。また、玄関がNGというのは、「開口部」がNGというところからきています。よって、勝手口であってもこの開口部に相当します。それと同じように、大きな窓も鬼門になります。家を選ぶときには、必ず間取りをチェックして、このような基準でチェックするといいでしょう。

鬼門対策

しかし、今住んでいる家が、すでに鬼門に玄関や水回り、火気があるといった場合もあるでしょう。そうした家に住んでいる場合、すぐに引っ越すのが一番ですが、さまざまな事情から、むずかしいこともあるでしょう。特にマイホームを建ててしまった後、鬼門を回避していなかったことに気づくということもあるはずです。しかし、そのようなときも、対策を講じることで、鬼門の凶意を減らすことができます。その対策の方法をいくつかご紹介します。

玄関は綺麗に整理整頓を

玄関が鬼門である場合、いつも靴を綺麗にそろえて、ホコリを払い、靴はピカピカに磨き上げた状態にしましょう。また、物はあまり置かずに、シンプルにしておくことも大切です。玄関の靴箱の上など、何かを置けるスペースがある場合、盛り塩をすることで、陰の気を軽減することができます。

お風呂・トイレの水は常に綺麗な水に

水回りは常に清潔に保ちましょう。陰の気は、どんどん汚い場所に入り込んできます。特にお風呂やトイレは汚れやすい場所なので、余計に入り込んできます。また、風水では、水がたまるところに、気が留まるといわれており、さらにその水の気に感応するといわれています。つまり、陰の気がやってくると、汚い水に感応して、さらに悪い気に変わるのです。そこから悪いエネルギーが蔓延していき、家族がどんどん不幸になっていってしまいます。水回りを清潔にしておくことはとても重要です。

青龍や麒麟の置物を置く

風水では、「化殺(かさつ)」という方法があります。これは、木、火、土、金、水の五行をコントロールする方法です。例えば、悪い方位には、その悪いパワーを抑える五行を持ってくることで、凶作用を弱めるのです。鬼門の場合、青龍や麒麟の置物を置くことで、化殺となり、その凶作用を抑えることができるといわれています。

ヒイラギを置く

ヒイラギは、とげがあることから、魔よけとして古くから用いられてきました。例えば、鬼門にトイレがある場合、トイレにヒイラギの鉢植えを置くなどして、邪気をはねのけましょう。

窓を開けない

開口部の一つである窓が鬼門に差し掛かっている場合、窓を開けないことが重要です。物理的に鬼門から陰の気が入ってくるのを防ぐためです。

窓に木のブラインドをつける

もし鬼門のエリアに窓がある場合、木のブラインドなどを取りつけて、「木気」を用いて対策するのもいいでしょう。


このように、鬼門と裏鬼門は、古くから考慮されてきた重要な凶方位です。引っ越しの予定がある人はぜひ間取りを確認しましょう。予定のない人は、今一度、自宅を確認して、必要に応じて対策を行ってみるのがよさそうです。

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